『対決』を『判定』に行く。の巻



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2008-08-02

『対決』を『判定』に行く。の巻

~「対決―巨匠たちの日本美術」@国立博物館080802

今年は蝉が鳴かない。と気になってネットで調べたら、全国で同じ疑問をもつ人がたくさんいる。頼むよ、蝉。夏は君たちの出番だ。ウルサイくらい鳴いてくれ。

8/2(土)上野公園。ようやく蝉が鳴き出した。その意気だ、蝉。私も負けないぞ。今日は国立博物館の「対決―巨匠たちの日本美術」へ。『対決』なのだから『判定』しなければならない。と思わせた国立美術館のタイトル付けに見事にはまり、私が『判定』せずに誰がする、の心意気高く、いざ・いざ・いざ・・・。(以下ダイジェストで)

『第1回戦:運慶vs快慶』
同時代、同門対決であります。両人とも運慶のお父さんを師匠とする仲。運慶の場合、野球で言うとお父さんが監督で息子が選手。お互いやりづらかった部分もあったんじゃないかな。快慶はそんな運慶くんを励ましたりしてたのかも。

さてこの勝負、お互い『地蔵菩薩』を持ってまいりました。運慶の『座像』に快慶は『立像』で勝負にでました。運慶、素朴で体躯の力強さを感じさせる座像です。
対して快慶、優雅でしなやかな立像。特にこの立像の台座で勝負に出たのか。蓮の花の台座の下に波?がうごめいている。

おすすめポイント:快慶の立像の台座、判定:同じ釜の飯を食った仲で引き分け

『第6回戦:仁清vs乾山』
野々村仁清と言えば鑑定団に出てくる名前。乾山は尾形乾山。尾形光琳の弟。この勝負、趣味の分かれるところ。ご自分の目でご判定ください。

おすすめ作品:色絵吉野山図茶壷(仁清)、色絵紅葉図透彫反鉢(乾山)←現代風

『第9回戦:若冲vs蕭白』
伊東若冲と曽我蕭白の戦いです。
しかし、蕭白って何者じゃ?蕭白の絵は怖い。私が子供なら間違いなく泣きわめく。ましてや絵の中から出てきたらと想像するともう大変な事態。気絶しちゃうぞ。またこの色がきついのだ(『群仙図屏風』)。きっと変な奴だったに違いない。友達にするならまだ若冲だ。

と思っていたら目に飛び込んできたのは『唐獅子図』これも蕭白。思わず感嘆詞『おぉ』が出てしまった。大胆で勢いがある。しかし、この2枚とも同じ時期に創っている蕭白っていったい・・・。
そして若冲。色々な技法も自分で創りだしたことは知っていたつもりでしたが、また新発見。『石燈籠図屏風』の石の部分が全て点描で描かれています。点描と言ったらスラーを思い浮かべる私ですが、若冲さん、日本でもやっていたんですね。(感涙)
若冲さんは、現代のアーチストや広告デザイナーにも影響を与えていますが、なるほどなるほど、『旭日鳳凰図』も現代に通じる感覚を感じさせます。と言っても本人はそんなことを考えているわけもなく、自分の描きたい世界を描いただけ。ましてや鳳凰。想像上の動物を自分の想いで描いた中に、今に通じる何かを感じさせるのかもしれません。

そして若冲と言えば鶏。いましたよ『仙人掌群鶏図襖』に。この絵、実物を観て『ひよこ』を探してみてください。思わず「若冲さん、ひよこはこれでいいの?」って突っ込みを入れたくなるユーモラス感があるのです。これって「東京みやげ」か?と言うツッコミもありかもしれません。

おすすめ作品:全て、判定:両者独創的でドロー

『第10回戦:応挙vs芦雪』
円山応挙と長沢芦雪の師弟対決。師匠応挙と弟子芦雪、さあどうなるか。

第1ラウンド
『三美人図』(応挙)vs『山姥図額』(芦雪)  大胆さで芦雪の勝ち。

第2ラウンド
『猛虎図屏風』(応挙)vs『虎図襖』(芦雪)  ここで後ろのお客さんから「この芦雪の虎ってね、一休さんが虎退治をしたときに出てきた虎って言われているんだよ」という声が聞こえてくる。私は心の中で「ほ~」と感心。でも後で調べると、一休さんは室町時代で応挙も芦雪も江戸時代。『一休咄』は江戸時代に広まった話で、そんな中で江戸の人が芦雪の虎がそのモデルと広めたのかもしれませんね。嘘でもホントでも、納得できそうな絵ですぞ。で、この勝負も大迫力でユーモラスな芦雪の虎に軍配があがります。

第3ラウンド
『保津川図屏風』(応挙)vs『海浜奇勝図屏風』(芦雪)
これはイーブンか。

判定:今回は幽霊画がない分応挙が不利か。2勝1分けで芦雪の勝ち。

全ての戦いが終わって不忍池を通って帰り道。蓮の花が咲いている。快慶さんの台座にあった蓮の花だ。ホントにポンと音がして花が咲くのかな?
蝉は相変わらず鳴いている。頑張れよ、蝉。

投稿者:リエンタ三上|取材Trackbacks:(0)

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